不死鳥、墜つ

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鳥取市の喫茶店、フェニックスが9月末で閉店する。

そんな一報を聞いて、閉店前に滑り込んできました。

初めて行ったのは、小学生の頃だったと思います。

父親に連れられて行ったのが始まりでした。

何を食べたのかまでは覚えていないけれど、子どもの頃に親と行ったお店というのは、不思議と記憶のどこかに残っています。

それから大人になっても、たまに利用していました。

僕が好きだったのは、焼きそばとイタリアンスパゲティ。

最近で一番印象に残っているのは、美容室「h」の移転作業をしていた頃です。

移転準備の真っ最中、スタッフ全員でフェニックスへ行きました。

今思えば、そんな何でもない時間もちゃんと思い出になっています。

お店というのは、不思議なもので

建物や料理だけではなく、そのとき誰と行ったのか、その頃自分が何をしていたのかまで、一緒に記憶されています。

フェニックスという名前を聞くだけで、小学生だった自分も、父親も、hの移転作業をしていた頃のスタッフも浮かんできます。

だから、昔からあったお店がなくなるというのは、やっぱり寂しい。

いつでも行ける。

またそのうち行こう。

そう思っているうちに、気がつけば何年も行っていなかったりします。

そして閉店すると聞いてから、

「もっと行っておけば良かったな」

と思う。

きっと、こういうことは飲食店だけではないのでしょう。

人も、場所も、時間も。

ずっとそこにあるような気がしているものほど、なくなってからその存在の大きさに気づくことがあります。

今回、閉店の知らせを聞いて久しぶりにフェニックスへ行きました。

でも、これがもうすぐなくなると思うと、少し景色が違って見えました。

「もっと来ればよかった」

そう思いながら食べる最後のフェニックス。

不死鳥という名前なのだから、またいつか蘇るのかもしれない。

そんな期待も込めて・・・

長い間、本当にお疲れさまでした。

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